
3.Interaction
Input と instruction についてみてきたが、これだけでは、まだ不十分である。
それは、英語は使わないと上達しないという点である。この点について、発音と中間言語という観点から少し論じてみよう。
まず発音であるが、日本語は、各音節が母音で終わる母音重視の言語であるのに対して、英語は子音で終わることが多い。
たとえば、McDonald という単語があるとすると、発音は
![]()
で、母音は3つしか含まれない。
これに対し、日本語では、各音節に母音が含まれるので、マクドナルドは
makudonarudo
と母音が6つになり、英語では含まれない、下線のついた3つの母音が余分に足されている。
このように、各子音に対して母音を発音すれば、英語としては通じない(Okita 1998)。これでは、当初の目標である、コミュニケーション能力は達成できない。
しかし、日本人ならば、日本語の発音が染みついているために、無意識に言葉を発しようとすると、どうしても日本語のように子音に母音を付け加えて発音しがちになる。
これは、発音は、口の動かし方、息の吐き方、舌の位置などといった運動神経に関わるものだからである。
プロのテニスプレーヤーの試合を見たからといって、同じ動きができないのと同じである。
同様に、英語も聞いているだけで、発音の上達は難しく、意識をした訓練を、繰り返すことが必要なのだ。
このときに、発音だけでなく、プロソディ(韻律)と呼ばれるイントネーション、リズム、ストレス、リンキング(音のつながり)などといった suprasegmental (超音分節的)な部分も忘れてはならない。
多くの論文(Celce-Murcia, Brinton, and Goodwin 1996, Hall 1997)が、個々の発音よりも超音分節な要素が発話の意味を形成する上で重要であることを示唆している。
たとえば、big deal という表現を
Mr. Johnson is a big deal in this company.(ジョンソン氏は、この会社での重鎮だ)
のように用いると、「重要な人、もの」の意味だが、これを、イントネーション次第で、
You know Britney is coming to town tomorrow? (明日ブリトニーが町に来るんだぜ)、
Yeah, big deal. (あ、そう)で、「とるにたたないこと、興味のないこと」と、全く反対の意味になるのだ。
なので、発音は、個々の単語の発音だけでなく、文章の中での発音とイントネーションも同時に学習しなければ、ならない。
そのためには、誰かと対話することによって、意味のある文脈の中で、発音およびイントネーションの練習するとよい。対話する相手がいないというのであれば、シャドウイングなどが効果的だろう。
また、アウトプットから、文法のあやまりなどに気づくことによって、スピーキングが上達するという研究もされている(Izumi, & Bigelow 2000)。
つまり、話しながら、「今のはこう言えば良かった」とか「今のは過去形を使うのだった」などと気づき、「次はこうしよう」という意識付けがされる可能性が高い。
また、英語学習者の会話の中に含まれるエラーの数は、相手が、ネイティブであれ、英語初級者であれ、ほとんど変わりがないことは、多くの研究によって、証明されている(Lightbown & Spada, 1999)。
このことからも、相手の英語がうまい、うまくないに限らず、英語で会話することは、英語の上達に大切なのだ。(英語学習Q&A参照)
| . 英語進化論 (理論編) |
| | 0. Intro | 1. Input | 2. Instruction | 3. Interaction | 4. Conclustion | |